「VaMの1秒間」に何回物理演算を行うかの設定をするチューザー。最もパフォーマンスに影響する項目の1つで、高ければ高いほど精密な計算が行われるが高負荷になる。
Physics Rate / FPS ≧Physics Update Cap となっていれば健全な状態である。これを維持した状態で出来るだけPhysics Rateを上げつつ、高いFPSを維持できるように調整する。
VaMの1秒間
VaMの1秒間は普通であれば現実と同じ1秒間であり、それ以上短くなることはないが、Physics Rateによっては引き伸ばされることがある。
Physics RateとFPSの関係
Physics Rateは、VaMの1秒間で何回物理演算を行うかを決める。
言い換えると、Physics Rateが60HZの場合のVaMでの1秒間は「60回物理演算が行われるのにかかる時間」となる。180回物理演算が行われたときが、VaMでの3秒、という具合である。
そして、この物理演算の頻度は現実世界の1秒にもとづいて決まる。Physics Rateが60HZであれば「最速で現実世界の1秒につき60回」となる。
ただし、レンダリングと次のレンダリングの間に行える物理演算の回数には制限が設けられている。つまりFPSによって、演算が行われる回数が制限されることがある。
この制限を決めるのがPhysics Update Capである。Physics Update Capが2のときは「1回のレンダリングにつき最大2回物理演算をしてもよい」と設定しているわけである。
スローモーション
VaMでは意図せずスローモーションが発生する事がある。ここではその理由を解説する。
スローモーションの発生
例として、Physics Rateが60HZでPhysics Update Capが1とする。
例えばFPSが30であれば1秒間に30回レンダリングが発生しているわけだが、はPhysics Update Capが1の場合はこの30回のレンダリングでは30回しか物理演算をすることができない。
つまり、「VaMでの1秒間」に必要な60回の物理演算を完了するのに現実世界の2秒かかることになる。この結果、動きがスローモーションになる。
スローモーションの回避
例として、Physics Rateが60HZとする。
Physics Update Capを2に上げることで1回のレンダリングにつき2回物理演算ができるようになる。FPS30であれば1秒間30回のレンダリングに対し、60回物理演算を行えるため、スローモーションが発生しなくなる。
ただし、PCの性能的に1秒間に60回描画できないような負荷の高い物理演算が行われている場合、今度は物理演算がボトルネックとなり、FPSが落ちることになる。
また、FPSがPhysics Rateの1/3の以下の状態であれば、レンダリング毎に3~4回の物理演算が必要となり、Physics Update Capの最大値3にしても間に合わず、スローモーションは避けられない。